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X線反射率法及び高分解能RBS法によるDLC膜の評価

  • 目的
    パソコン等に用いられているHDD(hard disk drive)は、摺動耐久性を高めるために磁性層の表面に厚さ数nmのDLC(diamond like carbon)膜が成膜されている。そのDLC膜の密度や構成元素の分布を評価することは膜質向上のために重要である。X線反射率測定と高分解能RBS(Rutherford Backscattering Spectrometry)を組み合わせることにより数nmのDLC膜の深さ方向の組成分布、膜厚、膜密度を評価することを目的とした。
  • 方法
    Si基板上にECR-CVD法で成膜したDLC膜について、高分解能RBSによりDLC膜/Si基板の構成元素の深さ方向の組成分布を求め、その結果を用いてX線反射率測定からDLC膜の膜厚、膜密度、界面粗さを求めた。
  • 試験装置・ソフト
    リガク製X線回折装置SmartLab
    神戸製鋼所製高分解能RBS分析装置
  • 結果
    高分解能RBSから求めた深さ方向の組成分布からDLC膜成膜初期層にチャンバー内の残留物と推定されるFeが存在していることが分かった。X線反射率測定からDLC膜の平均密度は1.4g/cm3、膜厚は4.2nmであることが分かった。
  • お客様の成果
    成膜条件と膜組成、膜厚、密度の関係を明確にし、それらの情報をもとにDLC膜の開発に貢献した。
  • イメージ

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    • 図1 高分解能RBSによるDLC膜の深さ方向組成分布
    • 図2 X線反射率プロファイル
    • 図3 深さ方向密度分布及びDLC膜の平均密度、膜厚
  • 関連試験装置
    高分解能RBS分析装置