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燃料電池電極触媒の観察・評価

  • 目的
    燃料電池の電極接合体(MEA)に使われる触媒材料は、電池の性能・寿命を左右するキー材料であり、その分析を行うことは、品質管理を含めた技術開発において、きわめて重要である。ここでは、Pt触媒の観察・評価事例を紹介する。
  • 方法
    粉末状の触媒を懸濁法にて溶媒中で分散させた後、メッシュにすくい取り、FE-TEMおよびインレンズSEMにて観察した。
  • 試験装置・ソフト
    日本電子製 JEM-2100F 電界放出形透過電子顕微鏡
    日立ハイテクノロジーズ製 S-5500 電解放出形走査電子顕微鏡
  • 結果
    FE-TEMによる観察では、Pt粒子の形状、分散状態が明瞭に確認される(図1)。さらには、格子像より結晶状態まで把握可能である。観察装置として最も高分解能であるため、微細化する新規触媒に適応可能である。
    インレンズSEMによる観察では、カーボン担体表面に分布するPt粒子の形状、分散状態とカーボン担体の表面形態が明瞭に確認される(図2)。TEMは透過像であるため、カーボン担体表面のPt粒子のみを分離して観察することはできないが、インレンズSEMによれば、カーボン担体表面上のPt粒子の分散状態、また、カーボン担体の表面状態を観察できることが特徴である。
  • お客様の成果
    燃料電池用の触媒材料の開発や実用化に取り組んでいる顧客の技術開発に役立っている。
  • イメージ

    ※クリックすると拡大します。

    • 図1 TEMによるPt触媒観察結果
    • 図2 インレンズSEMによるPt触媒観察結果