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超微細結晶粒材料の組織解析

  • 目的
    繰り返し重ね接合圧延(ARB)法によって実現した構造用金属の超微細結晶粒材料においては、機械的性質の制御のために隣接結晶粒間の方位差や集合組織の評価が重要である。
    そこで、高分解能結晶方位解析法(FESEM/EBSP法)を適用してこれらの評価を行うことを目的とした。
  • 方法
    ARB法によって作製した超微細結晶粒材料(相当圧下ひずみε=4.0、Ti添加極低炭素IF鋼)を用い、解析方法としてFESEM/EBSP法を適用し、圧延板断面の中心部および表層部を解析した。
  • 試験装置・ソフト
    ・高分解能結晶方位解析装置(FESEM/EBSP装置)
    ・FESEM:FEI社製 XL30S-FEG
    ・EBSPシステム:EDAX/TSL OIMシステム
  • 結果
    ・中心部、表層部とも、ほぼすべての超微細粒が方位差15度以上の大角粒界に囲まれており、ARB法により得られる超微細粒が互いに大きな方位差を持つことが、広範囲で判明した。
    ・中心部と表層部では集合組織が大きく異なっており、中心部はRD//<110>の圧延集合組織を、表層部はND//<110>のせん断集合組織を有していることが明らかとなった。
  • お客様の成果
    FESEM/EBSP法により、超微細結晶粒材料の広領域における粒界方位差および集合組織の解析が可能となり、新材料の機械的性質の制御に活用できる。
  • イメージ

    ※クリックすると拡大します。

    • 図1)ARB材の粒界方位差
    • 図2)ARB材中心部の結晶方位
    • 図3)ARB材表層部の結晶方位
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