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ICP発光分光分析装置(ICP-OES)

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    • 図1.ICPS-8100外観写真
  • 概要
    ICP発光分光分析装置(以下、ICP-OES)は、6,000~8,000℃のArプラズマを発光源とし、霧状にした溶液サンプルをプラズマに導入することで元素固有のスペクトルを発光させ、スペクトルから元素の存在を明らかに(定性)し、光の発光強度から元素の濃度を求める(定量)。 プラズマがドーナツ構造をしており、霧状となった溶液サンプルが効率よくプラズマ内部に導入されることから、プラズマ中での横への拡散が少なく、安定した結果を得ることが出来る。また、自己吸収が起きにくく、ppb~%オーダーまでの濃度範囲で精度よく分析することが出来る。プラズマが高温であることから、化学干渉、イオン化干渉の影響が少ない。
  • 仕様
    ・型式:ICPS-8100(島津製作所製)
    ・分光器:ツェルニ・ターナー型(シーケンシャル型)
    ・測定成分:約70成分

    【第1分光器】
    ・回折格子溝数(本/mm):4,960
    ・焦点距離(mm):1,000
    ・波長範囲(nm):160 ~ 458
    ・分解能(nm):0.0045

    【第2分光器】
    ・回折格子溝数(本/mm):4,320
    ・焦点距離(mm):1,000
    ・波長範囲(nm):458 ~ 850
    ・分解能(nm):0.0051
  • 試料
    鉄鋼・非鉄金属/セメント・セラミック/複合材料/鉱石/土壌などの溶液、及び環境水など。
  • 特徴
    【定性分析】
    シーケンシャル型ICP-OESでは、目的とするスペクトル線周辺の走査を行い、少ない溶液で、迅速にプロファイルを得ることが出来る。高分解能(0.0045nm)装置であることから、妨害ピークを容易に分離することが可能。

    【定量分析】
    ICP-OESでは定量法として、
    ・検量線法(一般的)
    ・標準添加法(試料マトリックスによる干渉があり、検量線法では対応が困難な場合に用いる方法)
    が用いられる。
  • 実施例
    ・鉄鋼中のCe・Nd・La・B分析など。
    ・廃プラスチツク中のCl、Cr、Cd分析など。
    ・Znメッキ液中のFe・Al・Pb・Zn・Cr・Mg・Zr分析など。
    ・工場排水中のFe・Mn・Ni・Cu・Cr・Pb・Zn・Al・Cd・Si・B・V・Ti・Ca・Mg分析など。
    ・フェロアロイ中のAl・Ti・Mn・V・Mo・Ni・Nb分析など。