高温高圧水中腐食疲労試験機

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- 図１）装置の外観
概要

主に原子炉圧力容器構造材料を対象にSCCき裂進展挙動、疲労き裂進展特性、低サイクル疲労特性などの評価に使用する。試験装置は、疲労試験機に圧力容器（オートクレーブ）を接続し、このオートクレーブ内において、上記試験を行う。
原子炉圧力容器構造材料を対象としているため、試験環境は高温高圧純水中環境である。高温高圧水循環装置の接続により圧力容器内環境を原子炉内水質環境に模擬することが可能である。
仕様

（1）試験装置
・疲労試験機：最大荷重動的 ±50kN，静的 ±75kN，周波数 0.0001Hz ～ 1Hz
・オートクレーブ【第一種圧力容器】：容量 8L，材質 SUS316L，電極ホルダー 6箇所まで取付け可能
（2）温度・圧力仕様
・温度常用温度 288℃（最高使用温度 350℃），圧力常用圧力 9MPa（最高使用圧力 20MPa）

■試験環境
高温高圧水循環装置を接続することで、溶存酸素濃度(DO)、溶存水素濃度(DH)を調整した純水環境中での試験が可能となる。また、高温高圧水循環装置に薬液添加ユニットを接続することで、特定イオンの添加、および導電率制御が可能となる。
（例えば、硫酸ナトリウム添加による硫酸イオン濃度調整、および導電率調整）
特徴

・通常は、純水仕様となっており、概要に示す試験を行うことができる。高温高圧水循環装置を接続することで流速60L/h，送り側導電率 <0.1μS/cm，戻り側導電率 <0.2μS/cmでの環境中で試験を実施することができる。
・純水で導電率を上げる場合（硫酸ナトリウム等添加）は、別の高温高圧水循環装置を接続することにより対応可能である。
実施例

（1）SCCき裂進展試験
・試験片形状：1T-CT試験片（最大 2個まで取付け可），SCCき裂長さモニタリング方法：直流電位差法

（2）疲労き裂伝播試験
・試験片形状：1T-CT試験片，制御方法：荷重一定振幅，き裂長さ測定方法：除荷弾性コンプライアンス法

（3）低サイクル疲労試験
・試験片：つば付丸棒試験片，歪測定方法：高温高圧水環境対応歪ゲージ式伸び計，歪振幅：0.2%～0.6%ε