コベルコ科研・技術ノート
こべるにくす
Vol.33
No.61
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新技術・新製品のご紹介
新技術
大型耐火試験装置の導入
❶ 概要
車両電動化技術の革新にともない、車載用電池の安全性・信頼性評価が非常に重要になっています。評価方法には、圧壊や振動などの物理的な試験、外部短絡や過充電などの電気的試験のほか、火炎に曝露された場合の耐久性を確認する耐火試験があります。
耐火試験は、燃料漏れなどにより車両が火炎に曝された際に乗員が安全に退避する時間が十分確保できるかを規定時間内の電池の爆発有無で評価する方法です。具体的には、試験体である電池をガソリンなどで燃焼する試験です。
耐火試験を行うには、電動車種毎の電池サイズに適用できる試験装置と、燃焼時に大量に発生する煤やガスの処理が可能な排気設備を有する必要があるため、耐火試験が行える事業者は国内でも限られています。
今回、完全遠隔操作機構を備えた大型耐火試験装置を製作し、大型電池パックの耐火試験が試験開始から失活処理後まで試験体に近づくことなく、安全に評価できる装置を導入しましたので紹介します。
❷ 特徴
- ①UN/ECE R100、中国法規などの事前確認試験に対応
- ②大型電池パックの試験が可能
- ③完全遠隔操作化により安全な試験と失活処理が可能
(未反応電池残存による安全リスクの低減)
写真1 装置外観
第1図 UN/ECE R100耐火試験状況
❸ 主な仕様
| 最大試験体サイズ | :1500mm角程度 |
|---|---|
| 最大試験体重量 | :600kg程度 |
| スクリーン台車 | :あり(耐火レンガあり) |
| 台車速度 | :可変式 |
| 燃料液面~試験体の距離 | :約180mm〜500mmに調整可能 |
❹ 試験例
UN/ECE R100耐火試験の実施例
《試験の流れ》 着火→予熱60秒→直接燃焼70秒→間接燃焼60秒(試験体と燃料パンの間に耐火レンガを挿入)→経過観察
《試験の流れ》 着火→予熱60秒→直接燃焼70秒→間接燃焼60秒(試験体と燃料パンの間に耐火レンガを挿入)→経過観察
第2図 試験中の温度推移(例)
