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メスバウア-分光分析

  • 方法
    γ線源と吸収体(試料)に相対速度をあたえ、ドプラ-効果によってγ線のエネルギ-を変動させ、相対速度の関数として共鳴吸収量を測定する。透過法が多く採用されているが、γ線を吸収した原子核が再び基底状態に脱励起する際に放出するγ線、X線、内部転換電子などを計測する、散乱法と呼ばれる方法もある。
  • 試験装置・ソフト
    メスバウア-分光分析装置(γ線源、γ線のエネルギ-をわずかに変化させる駆動装置、放射線検出装置(図1))測定により得られたスペクトルはロ-レンツ関数の重ね合わせとし最小二乗フィットにより解析。
  • イメージ

    ※クリックすると拡大します。

    • 図1 メスバウア-分光分析装置の概要
    • 図2 β-FeOOHのメスバウア-スペクトル
    • 図3 Fe-Ta-N-Agスパッタ膜のメスバウア-スペクトル
  • 特徴
    原子核の基底状態や励起状態のエネルギ-準位は、核近傍の電子状態や磁気的状態によってわずかに変化する。メスバウア-分光は、原子核が反跳せずにγ線を共鳴吸収する現象を利用してこの変化を検出する分光法である。この分光法を用いると、試料中のメスバウア-核(例えば57Fe)の電子状態や磁気的状態などに関する様々な情報を得ることができる。
  • 実施例
    ・炭素鋼中のオ-ステナイト、セメンタイトの量
    ・汚泥溶融スラグ中の金属鉄の量
    ・鉄の価数分析
    ・鉄の酸化物、水酸化物(図2)、炭化物、集荷物の状態分析
    ・鉱石中の鉄の状態分析
    ・鉄系薄膜の状態分析(図3)