大電流・高電圧試験
最大"12,000A/1,000V"の高出力試験に対応可能
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カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギー関連の技術革新が進んでおり、中でも自動車産業においては世界的なEVシフトにより、常時数百Aの電流が流せる車載機器の開発が急務となっています。
一方で、このEVに搭載されたバッテリーが衝突事故等により短絡した場合、10,000Aを超える大電流が瞬時に機器に流れる可能性があるため、保護回路や遮断機構などの安全設計が重要となっています。
当社では、長年培った通電試験技術を応用した大電流・高電圧試験のご提案により、パワーエレクトロニクス技術領域全般における安全性、信頼性評価ニーズにお応え致します。 -
試験の概要
大電流・高電圧試験
大電流・高電圧試験とは、パワーエレクトロニクス機器の過電流耐量や電流遮断性能を評価する試験です。
短絡試験や遮断試験を通じて過電流・過電圧時の挙動を把握し、機器の安全性と信頼性を検証します。試験メニュー
試験内容 試験能力 詳細 試験例 短絡試験 ▪最大電流:12,000A
▪最高電圧:1,000V
▪通電時間:1ms~100ms
▪試験温度:~200℃試験体に大電流を規定時間だけ通電し、発火、破裂の有無を確認する インバータの過電流試験
パワー素子のI2t耐量試験
コンタクタ、コネクタの短絡試験遮断試験 コンタクタなどに大電流・高電圧を印加し、規定時間後に接点を開くことにより、電流遮断性能を調査する コンタクタの遮断試験
ヒューズの遮断試験
パイロヒューズの遮断試験関連画像
大電流・高電圧電源装置と電流波形
計測室(左)と防爆設備(右)
【コンタクタの過電流試験の例】4,000Aの通電試験
【コンタクタの過電流試験の例】電流電圧波形
通電耐久試験
通電耐久試験とは、機器や部品に長時間大電流を流し、過酷な条件下での動作や劣化を評価する試験です。発熱、発煙、絶縁劣化の有無や保護回路の正常動作を確認し、安全性と信頼性を検証します。
試験メニュー
試験内容 試験能力 詳細 試験例 通電耐久試験 ▪︎最大電流:
250A(800V時)
5,000A(電圧不問時)
▪通電時間:連続
▪試験温度:~200℃定常運転時を想定した最大電流を長時間印加し、各部の温度上昇や接触抵抗の変化を記録する バスバー、コネクタの連続通電試験
コンタクタの連続通電試験
オンボードチャージャーの温度上昇試験関連画像
防爆恒温槽(最高:200℃、耐荷重:100kg)
300kVA 1次側電源設備
- 2次側電力:最大 DC200kW
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例 500A × 400V ~連続通電
250A × 800V ~連続通電
【複合メニュー事例】
・ 恒温槽を用いた高温環境下試験
・ 高速度カメラを用いた短絡事象撮影
・ サーモカメラを用いた温度測定
・ 発煙発火時のガス回収と分析
・ 特殊環境下での試験
200Aサイクル通電試験
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特徴
最大12,000A/1,000Vまでの大電流・高電圧試験が可能
大電流・高電圧試験とは、パワーエレクトロニクス機器の過電流耐量や電流遮断性能を評価する試験です。
短絡試験や遮断試験を通じて過電流・過電圧時の挙動を把握し、機器の安全性と信頼性を検証します。大容量電源設備と防爆恒温槽を保有
300kVAの1次側電源設備を保有しており、大容量DC電源や電子負荷装置を最大10台まで同時に運転することが可能です。
これらの設備を使用して、オンボードチャージャーやDC-DCコンバータなどの長時間耐久試験が可能です。また防爆仕様の大型恒温槽を保有しており、高温環境下(~200℃)での耐久試験が可能です。試験は防爆設備内で実施
大電流・高電圧試験には危険が伴います。当社は排ガス処理装置を備えた防爆設備を複数保有しており、試験はこの防爆設備内で実施するため、試験体の破裂や発火が想定される試験を安全に行うことが可能です。また計測は遠隔で行い、通常のビデオ撮影に加えて高速度カメラやサーモカメラを用いた画像記録も可能です。
保有設備
設備名 仕様 大電流・高電圧電源装置 最大電流:12,000A
最高電圧:1,000V
通電時間:1ms~100ms電流・電圧計測装置 最高計測電圧:7kV(peak)
最大計測電流:20kA
サンプリング速度:10MS/s
分解能:16bit
チャンネル数:8(最大32ch)防爆恒温槽 内寸:900(W)×900(H)×900(D)
最高温度:200℃
耐荷重:100kg
防爆ベント付属防爆設備 内寸:3,000(W)×3,000(H)×3,000(D)
排ガス処理装置あり1次側電源設備 三相220V/300kVA(合計) -
よくある質問
- 最大でどのくらいの電流・電圧・通電時間に対応できますか?
- 最大12,000A/1,000Vまで対応可能です。通電時間は最大100ms程度ですが、数百Aの長時間通電にも対応しています。条件は試験体の特性によって異なるため、別途ご相談ください。
- 高温・低温環境での試験はできますか?
- 恒温槽を用いて-40℃~200℃の試験に対応可能です。この温度範囲外の条件についても、別途ご相談ください。
- 発火や発煙のリスクがある試験でも実施可能ですか?
- 排ガス処理装置を備えた防爆設備内で試験を実施するため、発煙・発火を伴う試験も安全に行うことが可能です。
- 試験体のサイズに制限はありますか?
- 常温下では約2.5m×2.5mまでの試験体に対応可能です。これ以上の試験体サイズについても、別途ご相談ください。
- 1日に何件まで試験可能ですか?
- 条件によりますが、目安として1~4件/日の試験が対応可能です。室温環境下で試験体が小型で、計測点数が少ない場合は5~10件/日も可能です。
- 試験に立ち会うことは可能ですか?
- お立ち合い可能です。計測ブース内から試験状況の動画の他、温度・電流・電圧などの計測データを遠隔でモニタリングできます。また、お越し頂くことが難しい場合でもWebでご確認頂けます。
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