3D-SEMによる立体構造解析
-
- リチウムイオン電池正極材3D構造解析 3D-SEMによる立体構造解析
-
3D-SEMとは、試料断面をSEMにより観察・撮影し、断面の表面をさらに薄く削り再び撮影することを繰り返すことにより、試料の一定の深さまで断面写真を積み重ねる手法です。
この手法をリチウムイオン電池の電極へ適用すると、得られたSEM像を重ねて構築することにより、活物質粒子の形状と、活物質以外の部分(空間部分やバインダ部など)の形状を立体的に捉えることができます。-
正極材の断面SEM像 -
正極材を0.1μmごとに断面観察
また、SEM像を2値化することにより、活物質粒子とそれ以外とを識別したうえで、左下図のような立体的なモデルとして組み立てることが可能です。この立体モデルから、活物質が全体に占める体積率(vol%)が計算できます。
この立体モデルは、PCのモニター上で確認しながら自由に加工できますので、任意の方向からの観察や、透視により活物質粒子と活物質以外の配置を同時に可視化することが可能となります。また、任意の方向・角度からの観察・断面表示も可能であり、リチウムイオンの極間移動方向や面拡散方向での表示もできるようになります。
-
活物質の3D-SEM像 -
任意方向からの観察、任意断面の表示が可能 -
Liイオン輸送解析(膜厚方向の経時変化)
得られた3D立体像は、正極材の状態観察のみならず、リチウムイオン伝導性を考慮した シミュレーションの基本構造としても活用しています。
-