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最新評価技術のご提案
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加熱HR-ERDA分析による試料最表面Hの定量評価
概要
HR-ERDA分析(高分解能弾性反跳粒子検出法)を行う際に、試料を加熱しながら測定する手法を確立しました 。これにより、表面の吸着物の影響を抑制し、試料の最表面に本来存在している水素(H)の量を、より高い精度で定量評価することが可能になります。
目的・背景
近年、シリコンCMOSデバイスの微細化が進められており、3次元集積実装技術が注目されています。
3次元集積実装技術での形成工程では、ウエハ同士を貼り合わせる必要がありますが、この密着性にウエハ最表面に存在しているH(OH基)が強く寄与していることが知られており、これらの定量技術が求められています。
3次元集積実装技術での形成工程では、ウエハ同士を貼り合わせる必要がありますが、この密着性にウエハ最表面に存在しているH(OH基)が強く寄与していることが知られており、これらの定量技術が求められています。
既存の評価手法と課題
HR-ERDA分析はHの定量性に優れており、試料最表面に存在するHの定量評価にも有力な分析手法として期待できます。ただし、表面に吸着した有機汚染物や水分に由来するHとの分離ができないことが課題となります。
加熱HR-ERDA分析の詳細
試料を加熱しながら測定することで、試料表面の吸着物を除去して吸着物由来のHの影響を抑制し、試料表面に本来存在しているHの定量精度が向上しました。
技術内容加熱HR-ERDA分析による試料最表面Hの定量評価
フッ酸処理を行ったSi(100) ウエハを室温環境下と200℃で試料を加熱しながら測定したHR-ERDAスペクトルを比較すると、200℃で加熱しながら測定したスペクトルの強度が室温環境下で測定したときより減少している。試料の加熱温度を変化させたときのH量を調べた結果、加熱温度が150℃までは表面のH量に変化がみられないが、200℃に温度を上昇させると表面H量が減少する傾向が認められる。この傾向は先行研究1)の報告とも一致していることから、本手法によって表面に吸着した有機汚染物や吸着水の影響が抑制されていることがわかる。
HR-ERDAスペクトル
加熱温度による表面H量の変化
まとめ
試料を加熱しながら測定する手法を確立したことで、試料の最表面に本来存在している水素(H)の量を、より高い精度で定量評価することが可能になりました。また当社は高い深さ分解能を誇る装置を有していることから、さらに高精度な分析まで実現いたします。材料表面の水素の定量でお困りの際は、ぜひ当社にご相談ください。
参考文献
- Y. Yamamoto et. al.: J. Non-Cryst. Solids., Vol. 499(2018), p. 408.
執筆者
技術本部 物理解析センター 解析部 表面・構造解析室 | 光原 圭(みつはら けい)
よくある質問
- ERDA分析とは何ですか?
- ERDA(Elastic recoil detection analysis)は、試料表面にイオンを入射し、反跳されたイオンをエネルギー分析する測定手法です。検出の難しいHの定量や深さ方向分布の評価に活用されます。
- ERDA分析で測定できる試料形態と試料サイズは?
- ERDA分析では表面のラフネスが小さく平坦な形状の試料しか測定できません。試料サイズは8mm×15mmを推奨しておりますが、お客様の目的によって変動しますのでご相談ください。
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