コベルコ科研・技術ノート

こべるにくす

Vol.32

No.58

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  4. 製品設備の安全性や信頼性を支える内圧試験技術

技術再発見

今も活躍している当社のロングラン技術や製品をご紹介

製品設備の安全性や
信頼性を支える内圧試験技術

自動車の内燃機関、燃料電池のタンク、ガスを保管する圧力容器、熱交換器のような連続的もしくは間欠的に内圧が作用する設備、機器類の安全性、耐久性を評価するためには、内圧評価試験が必要である。

内圧評価試験とは、内部に圧力が加わる製品に対して耐圧試験、内圧疲労試験等を行い、圧力に対する耐久性、疲労強度を確認するための試験である。

当社では、耐圧試験および内圧疲労試験は図1のような汎用装置をもちいた構成で試験を行っている。最近では、高温、低温環境、内圧以外に外力が作用する等のより実用環境に近い状態での試験依頼が増加しており、一品一様な特殊な条件での試験を実現し、お客さまの期待に応えている。本稿ではその一部を紹介する。

第1図 内圧試験イメージ

事例 1 高温・低温環境下での耐圧、内圧疲労試験

カーボンニュートラル達成のために水素を利用した設備、機器の開発が増加している。これらの設備、機器では常温だけではなく低温や高温の環境にさらされることがある。

当社では、高温・低温環境下での耐圧、内圧疲労試験は、現在環境温度-70℃から150℃、サイズ 580mm×600mm×800mmの範囲で外気温度を制御した環境下における評価を可能としている。

そのため気化温度、凍結温度等の条件を考慮した圧力媒体の選定、製作治具に使用するシール材の選定、温度影響を考慮した計測器の設置位置など常温での試験とは違った観点での検討が必要となる。

図2は高温、低温の温調に加え、繰返し圧力を負荷する装置構成の一例である。

事例 2 内圧負荷+外力負荷の複合試験

実製品は運転中に内圧以外の外力が加わることがある。これらの部品は耐圧試験、内圧疲労試験等の耐圧性確認だけでは実機搭載時の性能確認としては不十分である。

当社では、内圧負荷に加えて外力を作用させた状態での試験を実施することが可能である。図3はホース、パイプ等の試験体に外力を加える試験の一例である。

第2図 高温・低温環境下での内圧試験イメージ

第3図 内圧負荷+外力負荷試験イメージ

本稿で紹介した以外にも実製品と同環境での評価を希望される声は多く、製品ごとに一品一様な検討事項が存在している。 今後もさまざまなニーズに対応できる圧力試験を実施し、顧客の課題解決に貢献していきたい。

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