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X線回折法による燃料電池電極触媒の評価
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- 目的
- 燃料電池の電極接合体(MEA)に使われる触媒材料は、電池の性能・寿命を左右するキー材料であり、その評価は、技術開発のみならず品質管理においても、きわめて重要である。ここでは、触媒の活性度を左右すると言われるPt結晶子径について、X線回折を用いた評価方法の紹介をする。
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- 方法
- Scherrer法より結晶子サイズを算出
Scherrer法は、結晶子サイズを回折ピークの広がりより算出する手法で、以下のScherrerの式より求められる。
結晶子の大きさ L(Å)=Kλ/(βcosθ)
K:Scherrer定数
β:半価幅
θ:回折角2θ/θ
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- 試験装置・ソフト
- リガク製 SmartLab 薄膜評価用試料水平型X線回折装置
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- 結果
- X線回折(XRD)測定・解析により、本触媒の結晶子サイズは約2nmであることが確認される。X線回折法より得られた結晶子サイズは、約0.5×10×10mmの領域の平均値であり、TEM、SEMなど局所領域の評価に比べて、より全体的かつ平均的な触媒の結晶子サイズを評価する際に有効である。
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- お客様の成果
- 燃料電池用触媒材料の開発や実用化に取り組んでいる顧客の技術開発に役立っている。また、実製品の劣化原因調査などにも適応可能である。