コベルコ科研・技術ノート
こべるにくす
Vol.34
No.62
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新技術・新製品のご紹介
新技術
中空試験片による高圧水素環境下高温SSRT試験
❶ はじめに
当社では、高圧水素環境下のSSRT試験において、これまで低温〜250℃までの温度範囲で試験を実施してまいりました。このたび、新たに中低圧での250〜約750℃の高温領域での試験に対応可能(図1赤枠参照)となりましたので、新試験メニューとしてご紹介させていただきます。
図1SSRT試験の対応可能範囲

❷ 試験概要
- ・試験片は軸方向に貫通孔(φ1.0 mm)を設けた中空丸棒(図2)を使用。
- ・試験片中空部に約10MPaまでの水素ガスを充填。
- ・試験は真空槽付き油圧サーボ疲労試験機で行う(図3参照)。
- ・試験片の周囲環境は窒素ガス、または不活性ガスとなる(試験片内部の水素ガス発火を防止)。
- ・試験片の加熱には高周波誘導加熱装置を用い、鉄鋼材料であれば約750℃までの加熱が可能。
図2試験片形状

図3装置構成

❸ データ事例
図4は、SUS304鋼を試験温度300℃で行ったSSRT試験の結果を示します。試験片中空部に窒素ガス(10MPa)を充填した試験片、および中空孔のない中実試験片と比べて、試験片中空部に水素を充填した試験片の破断変位が小さくなっております。また、破断面観察(図5)では、窒素ガスを充填した試験片は延性破面を示したのに対し、水素ガスを充填した試験片は擬へき開破面を示しており、水素影響による延性低下が認められました。
図4データ事例

図5試験片破面

❹ おわりに
カーボンニュートラル実現に向けた水素燃焼発電設備や水素エンジンなど、高温・水素環境で使用される部材の材料評価において、より高度な貢献が可能となります。
