コベルコ科研・技術ノート

こべるにくす

Vol.34

No.62

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  4. 水素ガス雰囲気下での摩擦摩耗試験の紹介

新技術・新製品のご紹介

新技術

水素ガス雰囲気下での摩擦摩耗試験の紹介

❶ 概要

カーボンニュートラル化の推進に伴い、モビリティや社会インフラ分野では水素関連機器の開発が加速しています。その中で重要な課題の一つが「しゅう動特性」です。

しゅう動特性は、荷重・速度・温度などの条件に加え、雰囲気によっても大きく変化します。当社ではすべりや転がりを再現できる様々なしゅう動形態の試験機を所有しておりますが、水素ガスのような可燃性気体中の試験は対応不可のため、新たに「水素摩擦摩耗試験機」を導入しました。この試験機は、試験部を安全に水素ガス雰囲気に制御し、摩擦・摩耗試験を実施することで、水素環境に適したしゅう動部材の選定を可能にします。

さらに、試験後には各種表面分析を行い、水素雰囲気特有のしゅう動メカニズムを推定できます。

❷ 特徴

  1. 1.幅広い負荷(面圧)条件での試験が可能
    ピンオンディスク形態(図1)のしゅう動機構を採用し、点・線・面接触に対応できます。
  2. 2.多様な雰囲気での評価
    水素ガスに加え、窒素ガス、大気中、真空中でのしゅう動試験に対応し、各雰囲気固有の特性を評価できます。
  3. 3.拡張性のある試験環境
    周辺設備の改造により、上記以外の可燃性ガス中での試験も検討可能です。

図1試験機外観と試験部及び試験イメージ

❸ 主な仕様

荷重 :最大680N
摩擦力 :最大50N
雰囲気 :水素、窒素、真空
(ガス雰囲気の圧力ははぼ大気圧)
回転数 :100~4000rpm
温度 :室温~150℃(ディスク表面温度)
ピン・ディスク形状 :専用治具を作製することで、種々の形状を検討可能
測定項目 :摩擦係数、温度(ピン・ディスク)
 別の装置(後評価)にて摩耗量、各種表面分析も対応可能

❹ 試験事例

図2は水素ガス中と大気中でのしゅう動特性を比較した結果です。

雰囲気や材料によって摩耗量やディスクへの移着の程度が異なることが確認されました。これは水素ガス中において水素の吸着がしゅう動界面で生じたことによる可能性があります。

このことから、しゅう動部材の選定試験は、実機と同じ雰囲気下で行うことが重要です。

図2水素ガス中しゅう動試験事例
(上:銅合金ピン-金属ディスク、下:樹脂ピン-金属ディスク)

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