コベルコ科研・技術ノート

こべるにくす

Vol.34

No.62

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  4. 油圧サーボアクチュエータを用いた動的試験適応事例

技術再発見

今も活躍している当社のロングラン技術や製品をご紹介

油圧サーボアクチュエータを用いた動的試験適応事例

昨今、航空機や自動車などに用いられる高機能構造体に対する耐久性評価のニーズは多様化・高度化しており、従来手法では再現が困難な複雑な荷重条件や高速加振などの実使用環境に近い試験条件への要求が高まっている。さらに自動車、航空宇宙、土木など分野によって評価対象のサイズは様々であり、それに伴い評価に必要とされる荷重、変位や速度なども異なる(図1参照)。

当社では、多様なお客様のニーズに応えるべく可搬型の電気油圧サーボアクチュエータを用いて、実体品が実環境で受ける外力や環境を模擬した再現試験を実施している。本稿では、MTS社製の高速アクチュエータを用いた高速加振や、アクチュエータを複数台用いた多軸試験の一部事例を紹介する。

図1試験機容量と実体品の適用イメージ

【当社での油圧サーボアクチュエータの歩み】

当社では1986年コベルコ科研設立時、10kNジャッキタイプ疲労試験機を導入し、次いで1989年に200kNジャッキタイプ疲労試験機、1995年の阪神淡路大震災における耐震性評価のニーズから1996年には400kN高速疲労試験機を導入した。いずれも耐震性能を必要とする大荷重・単軸試験などで社会インフラ分野における評価に活用してきた。2000年以降では自動車の足回り部品など小型・中型の部材を対象として複数軸や複数台を必要とする試験構成などのニーズを受け2kN ~ 30kNクラスの可搬型疲労試験装置の拡充を図り、モビリティ分野における評価に活用してきた。

最近ではさらに航空・宇宙・造船業界まで多用途に適用範囲を拡大している。

【適応事例1 :高速アクチュエータを用いた高速載荷試験】

自動車の足回りの性能は、走行時の車体挙動の制御・操縦安定性、乗り心地などに大きく影響する。とくに車体とタイヤを繋ぐダンパーは路面からの入力を直接受け、衝撃を吸収する重要な機能を果たしている。また、ダンパーは自動車のほかに鉄道や宇宙航空分野など様々な分野で使用されている。当社ではMTS社製の高速アクチュエータを使用し、専用の治具を製作することで、最大1000mm/secまでの実機使用条件を模擬したダンパーの減衰力の測定を行っている。また、環境槽を設けることで、高温、低温環境下での評価、ダンパーに対して横方向の荷重を負荷しながらの減衰力測定などの条件も可能である。図2は自動車用ダンパーの減衰力測定の装置構成およびアウトプットの一例である。

図2自動車用ダンパー減衰力測定装置の構成およびアウトプット例

【適応事例2:複数台の油圧サーボアクチュエータを用いた多軸試験】

プロペラやタービンブレードなどは、実環境で複雑な方向から外力を受け使用されている。当社では複数台のアクチュエータによる同期負荷入力により、実環境を模擬した剛性・強度試験の評価を可能としている。そのため、実環境を模擬するために装置の構成や治具の形状などの検討が必要となる。加振の波形はランプ波、正弦波、三角波、実働波なども可能である。図3はプロペラ翼の3軸負荷試験イメージ図である。取得した情報は製品の開発段階におけるデータ取得、蓄積やFEMモデルの検証、実機で発生した破壊の再現確認などに用いられる。

図3プロペラ翼の3軸負荷試験イメージ

本稿で紹介した事例以外でも、お客様の製品開発の段階から課題解決を幅広くサポート支援することが可能である。引き続きお客様のニーズに応えるべく高度な試験技術を提供できるように努めてゆきたい。

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