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低誘電率層間絶縁膜の機械的特性評価

  • 目的
    高速LSIデバイスでは多層配線を通る信号の遅延を低減する目的で、SiO2に代わる低比誘電率層間絶縁膜(low-k)が開発されている。デバイスの信頼性確保のために、絶縁膜の種類や成膜条件の異なる各種low-k膜の機械的特性(硬さ・ヤング率)を評価した。
  • 方法
    ・シリコン基板上にlow-k膜としてゾルーゲル法により多孔質シリカ膜を成膜した。
    ・ダイヤモンド圧子を極低荷重の押込み試験を高位置精度で行い(ナノインデンテーション試験)、多孔質シリカ膜の深さ方向の硬さとヤング率を評価した。
  • 試験装置・ソフト
    ナノインデンテーション試験:MTS社製 ナノインデンターXP/DCM
  • 結果
    多孔質シリカ膜の押込み深さと硬さ、ヤング率の関係を図1,2に示す。多孔質シリカの硬さは表面から20nm付近まで少し硬い膜で構成され、その後ほぼ一定の硬さ(0.01GPa)を示す。熱溶融石英の硬さ(9GPa)に比べ低い硬さとなっている。300nmから急激に硬さが上昇するのはSi基板の硬さ(11GPa)の影響を受けているためである。ヤング率も表面近傍で高い値を示すがその後ほぼ一定のヤング率(0.15GPa)をとり、その後は硬さと同様基板の影響を受け、急激に増加する。
  • お客様の成果
    low-k膜の機械的特性(硬さ、ヤング率)の基礎データが蓄積され、顧客の研究開発を支援することに貢献した。
  • イメージ

    ※クリックすると拡大します。

    • 図1)多孔質シリカ膜の押込み深さと硬さの関係
    • 図2)多孔質シリカ膜の押込み深さとヤング率の関係