高圧水素環境下での脆化挙動と
試験規格についての概説
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高圧水素環境下での水素脆化について
一般的に水素脆化と呼ばれている現象は、材料内部にある水素(内部水素)を起因とする水素脆化を示しています。これに対して、燃料電池車や水素ステーションのような高圧水素ガス環境下(外部水素)での脆化挙動は異なると言われています。内部水素ではき裂先端の応力集中部に水素が拡散により集中する現象であるのに対して、外部水素ではき裂先端に水素ガスが存在するため、次々と誕生する新生面を通って水素が材料内部に侵入し、すべりの活性化が起こり、結果としてき裂進展速度が速くなると言われています。
燃料電池車や水素ステーションでは高圧水素が用いられていますが、上記のような理由により新たな指針を策定し、機器や設備の健全性を保つために、多くの研究者により基礎研究が現在も継続しています。
参考文献)松岡三郎、「HYDROGENIUSプロジェクトにおける水素材料強度特性チームの成果:水素脆化の基本原理の解明」、水素エネルギーシステム Vo1.34,No.4 (2009) -
高圧水素環境下での水素脆化評価手法の動向
高圧水素環境下での水素脆化挙動の評価は、主に中実丸棒を試験片とし、高圧水素チャンバー内で暴露して実施する試験にて研究され規格等が制定されています。現在は、高圧水素環境下で用いる事ができる材料の種類を拡大、溶接継手に関する検討が進められています。
一方で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の事業として、
① 中空試験片を用いた評価手法
② 陰極電解チャージ法による評価手法
の水素適合性評価手法の開発も進んでいます。 -
試験規格に関して
現在、高圧水素関連機器に使用する金属材料の使用基準として下記の様な規格があります。これら以外にも各国で制定された基準があり、導入先等により守るべき基準は異なる場合があります。弊社では、下記に示している試験に対しては対応が可能です。
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