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最新評価技術のご提案
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カーボンニュートラル実現に貢献する
ナトリウムイオン電池(SIB)の試作・評価技術
概要
カーボンニュートラル実現に向け、リチウムやコバルトといった希少資源に依存しないナトリウムイオン電池(SIB)が注目されています。当社では、正極活物質の合成から電池試作、特性評価、サイクル後の劣化解析、安全性試験までを一貫して実施できる評価基盤を構築しており、次世代蓄電池の研究開発を総合的に支援します。
背景と課題
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力を安定供給するための大型蓄電池の重要性が高まっています。しかし、主流であるリチウムイオン電池(LIB)は、LiやCoといった希少元素の価格高騰や資源偏在が大きな課題です。そこで、資源が豊富で低コストなナトリウムを用いたSIBが、この課題を解決する次世代電池として期待されています。一方で、リチウムとナトリウムで特性が大きく異なり、Naイオン電池の取り扱いもシビアなため、試作・評価両面で課題があります。
ナトリウムイオン電池(SIB)の試作・評価技術の詳細
本技術では、お客様のニーズに応じた柔軟な開発支援が可能です。
Naイオン電池の性能向上や実用化に向けた課題解決に、当社の活物質合成・電池試作・評価解析技術をぜひご活用ください。
- SIBの試作(安全性試験に供試するための5Ahクラスの試作も可能)
- 正極活物質の合成
- 対極を金属Naとしたハーフセル試作評価(正極活物質・負極活物質の容量調査など)
- 試作した電池の入出力特性・サイクル特性評価(容量、充電レート、放電レートなど)
- 物理解析、化学分析を駆使した劣化機構の解析
Naイオン電池の性能向上や実用化に向けた課題解決に、当社の活物質合成・電池試作・評価解析技術をぜひご活用ください。
A-1活物質の合成技術、SIBの試作評価技術
●正極の構成
- 正極活物質の合成が可能
- 作成した正極とハードカーボン負極を用いたSIBセルの試作が可能。
導電助剤 :アセチレンブラック
バインダ :PVDF(ポリフッ化ビニリデン)
集電体 :アルミ箔
構成比 :活物質:導電助剤:PVDF = 80:15:5(wt%)
●電極作製工程
●電池構成事例
セル :単層バルクセル(電極面積2cm2)
正極 :Na(Fe1/3Mn1/3Co1/3)O2
負極 :ハードカーボン
セパレータ :ポリプロピレン微多孔膜
電解液 :1M NaPF6 / EC:DEC=1:1 vol.
正極 :Na(Fe1/3Mn1/3Co1/3)O2
負極 :ハードカーボン
セパレータ :ポリプロピレン微多孔膜
電解液 :1M NaPF6 / EC:DEC=1:1 vol.
A-2活物質の出力特性、充放電サイクル特性
- 活物質の合成が可能出力特性)50Cにおいても放電率47%と良好な入出力特性を示す。
- サイクル特性)1Cレートのcc充電-cc放電で良好なサイクル特性を示す。
放電レート特性
放電容量
放電容量の推移
A-3充放電サイクル試験における劣化解析/結晶構造調査
- 初期と充放電100サイクル後のサンプルについて、正極材のSTEM観察を実施
- 100サイクル後についても表層の無秩序岩塩構造の成長は確認されなかった。
Ar雰囲気中(露点-80℃)にて電極サンプリング / 断面加工:大気非解放クライオFIB加工+イオンミリング
まとめ
- SIBはLiやCoといった希少元素を使用しない電池構成が可能であるため、低コストな電池を作ることができる。
- SIBは優れたレート特性を示す活物質が存在し、LIBと遜色ないサイクル特性を示す事例がある。
- SIBは今後は実用化に向けてさらなる技術発展が期待できる。
- コベルコ科研では試作/解析/CAE/安全性試験技術を活用し二次電池の研究開発を支援します。
参考文献
- *1) 岡田重人ほか. Electrochemistry. 2015, Vol.83, No.3, p.170-175.
- *2) T. Tsubota et al. Evergreen 2019, Vol.6, No.4, p.275-279.
- *3) 坪田隆之ほか.R&D神戸製鋼技報. 2022, Vol.71, No.2, p.64-69.
執筆者
技術本部 EV・電池ソリューションセンター | 坪田 隆之(つぼた たかゆき)
よくある質問
- ナトリウムイオン電池の主なメリットとデメリットを教えてください
- メリットはLiとCoを使用しない低コストな電池を作れること、デメリットはエネルギー密度が低いことです。
- ナトリウムイオン電池の正極活物資の合成は可能ですか
- 水酸化物合成、Na2CO3との混合、焼成、粉砕・整粒を実施により、Na(Fe1/3Mn1/3Co1/3)O2やNa(Ni1/3Mn1/3Fe1/3)O2などの層状岩塩構造活物質の合成が可能です。
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